軍需重視の戦略転換
中国は1991年3月の全国人民代表大会(全人代)において承認された91年度政府予算案を含め、この3年間連続で大幅な軍事費増額を計上してきています。
対前年比で、それぞれ89年度が14パーセント、90年度が18パーセント、本年度が12・2パーセントの増加となっています。
絶対額でいえば、91年度の予算額は325億元(約8125億円)で、政府歳出総額の約9・1パーセントに当たるものです。
この額は日本の防衛費予算(90年度で約4兆2000億円)のおよそ20パーセントにしかなりません。
しかし、中国人の一人当たり国民所得が約300米ドル(約4万2000円)で日本人のそれ(約2万3000米ドル)の1・3パーセントにしかならないこと、この点から軍事費に占める人件費がきわあて安価であることなどを考えれば、実質的には日本を下回るものではありません。
それにしても、ここでは日本の防衛費がGNPの1パーセント枠の中に収まっているとはいえ、額の上では決して小さくないことも知っておかねばなりません。
この点は、軍事の近代化、とりわけハイテク化を図ろうとする場合に重要な意味を帯びてくるのです。
ハイテク化には優秀な技術者(ソフト)と高価な施設(ハード)が必要とされるため、安価な人件費という中国の優位性はほとんど発揮できません。
現在の中国の条件の下では必然的に資金的な不足を来すからです。