軍需重視の戦略転換 2
中国が冷戦後の数年、兵器の近代化のために充ててきた予算額は、およそ30億元(約750億円)にすぎません。
この面では絶対額において中国を上回る軍事費を擁する日本のほうが、はるかに有利ということになります。
むろん日本だけでなく、先進諸国一般に比べて、中国が抱える条件が不利に働くことは否めないでしょう。
ただ、3月26日の全人代の席で、王丙乾財政相が行った説明では、国防費の増額の主要な用途は武器・装備の増強だとしていることからすれば、91年以後の兵器近代化に充てられる予算額は、30億元を大幅に上回るものになるでしょう。
実際、中国は91年に入って湾岸戦争が勃発してのち、特にアメリカを中心とした多国籍軍が圧倒的なハイテク兵器を駆使して、イラク軍に完勝を収めたことに衝撃を受け、急速に先端技術を軍事面に応用する必要性を力説するようになってきました。
たとえば3月20日付と31日付の軍機関紙『解放軍報」は、トップに江沢民総書記兼中央軍事委員会主席のこの点を強調した講話を載せています。
20日付の江沢民講話は湖南の解放軍部隊を前にして行ったもの、また31日付講話は3月の全人代の開催中に解放軍の代表を一堂に集めて行ったものです。
まず現下の世界情勢がきわめて不安定であり警戒心を高める必要があることを指摘しています。
それとともに、現代の戦争が高度な技術戦、立体戦、電子戦、ミサイル戦であることから、軍の武器装備をハイテク化によって緊急に強化すべきであると訴えたものでした。
しかし、そのためには現在の規模の軍事費予算では、十分に目的を達成しえないことは明瞭です。